貫ぬき

阪神淡路大震災から2年たった頃、木造住宅バッシング、 バッシング等が最盛期でした。 ところが、シーダ・バーンの生家(以後、オールドシーダ・バーン)は 大正14年8月11日に、上棟しています。 もともと避暑地の別荘風にたてられていました。 今でいえば、グラスハウスです。南側縁側はみごとに、ガラス窓だけです。そんなグラスハウスが、阪神淡路大震災のときには、 瓦を数枚落とし、 内部は壁土を落としただけでした。 ガラス窓も釘を打っていないので、 割れていませんでした。共振したのでしょうか。 風の強い日はガタガタ鳴るぐらい、たおやかに作られていました。 その理由が 初めてわかりました。 昔の人、職人は用心深いですね。 常日頃より、警戒を怠りません。 貫(ぬき)構造は、筋交いを使わず、通し柱に横木で、 はしご状に「貫(ぬき)」材を入れ、 それを一つ、一つ「楔(くさび)」で締める構造です。 「揺れ」を柔軟に受け止めて戻る性質があるため、 万が一傾いても、住む人の安全は守られ、建物の修復も可能です。 寺社、仏閣に多く見られます。 また、シーダ・バーンでの貫(ぬき)構造が多いのも特徴の一つです。 「貫(ぬき)構造」の水平ラインは、秀でた日本文化シンプルモダンデザインです。

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